Black Angel<3>


私は大きな声で嬉しそうに叫んだ。
「う、嘘でしょ?」
羅帝は驚いている、初めて死体か人殺しを見たんだろう。
やっぱり私は羅帝に嫌われていくんだ...。
「亞香音って思ったとおりの人間ね、最高!!」
最高...?私の事を嫌わない人間がいる、私の事を...。
「やっぱりあんた面白い」
面白い?人殺しの事を?羅帝は感覚が鈍っているの?
「あ、この人処分しようか...!!」
死体を楽々と抱き上げ歩き出した、私は羅帝の後を歩いていく。
気がつけば立ち入り禁止の場所の中に入り大きな扉の前についた。
大きな扉は、羅帝の暗号で開いた。
中は真っ赤に燃え上がっている、炎が。
「ここは人を燃やしたりできる所、骨になるわよここで」
羅帝は大きな箱に死体を居れ、黒い薔薇に枯れた花
さらに大量のガソリン......、最後に綺麗な王冠。
「さよなら」
ここ声で呟いていた。そして蓋はと字、ゆっくりと炎の中へ入れた。
ガソリンが入ってるせいかすぐに、燃えきったらしい。ほんの数分間で。
箱の下に敷いていた、鉄の板を引っ張りだしている羅帝。
美音は骨になっていて、顔の周りにキラキラ輝く物が沢山あった。
良く見てみると宝石みたいのだ、そして王冠は綺麗に残っていた。
燃えそうなものだと思っていたのに......。
「あ、この宝石は白い天使が認めた人間が出せる貴重なものなんだよ」
羅帝が意味分からない事を言ってきた、白い天使......?
急に鳥肌がたってきた。
「中には黒い宝石が出てくるけどそれは黒い天使が関係して......」
「いやあああぁぁぁー!!」
大声で叫んでいる私......、黒い天使...黒い天使。
私の以前のあだ名、美音に付けられたあだ名、美音のせいで友達が呼ぶようになったあだ名。
あだ名の由来はここから来たの...?ち、ちがう。ここから来るわけない。
このあだ名の由来はもう永遠に知る事は無いはず、だけど知りたかった。
どうして美音は私の事を『黒い天使』と呼ぶのかを知りたかった。
「大丈夫?」
「あ、ごめん」
また、友達を失いたくない。それにここで時間をとったらクラス替えの結果に間に合わない。
早く他の子たちと会いたいし...。
「あ、そろそろRクラスの教室とか見たいんだけど...!!」
話を変えた。ここに居ると気分がわるくなる。
「あ...、そうだね」
羅帝は何か察したらしく少し暗かった。
羅帝もいつか私の事を『黒い天使』って呼ぶ時が来るのだろうか...。
それが怖くて仕方が無い...。
いつもいっつも私は『黒い天使』と呼ばれていく運命...。
でも、その事はまだ先である事を祈る。
今は夢を見ていたいだけ...。ただそれだけ。
「ねぇ、羅帝...、白櫻と悠斗ってどんな人なの?」
Rクラスに向かいながら会話をする。2人のことが気になって仕方が無い。
「白櫻は女子で天然少女的な感じ」
天然少女...、どんな人か想像ができなかった。
「悠斗は優しく頭が良い少年...、責任感が人一倍強いわ」
優しくて頭が良くて責任感が強い人...、仲良くなれるかな...??
Rクラスに向かうだけなのに先生達とすれ違うだけでお辞儀をされている羅帝。
羅帝はそこまで偉いの...??
でも、今はそんな事が気にならない。むしろ新しい友達ができるかどうかが気になる。
「あ、ここがRクラスよ...」
たった四人が使う教室なのに広い。設備が凄く良い。
「凄いでしょー!」
羅帝は無邪気な笑顔だった、その笑顔に私は惹かれた。
「あ、そろそろ時間だね☆」
凄い喜んでいる、そんなに嬉しいのか??
「そ、そうだね」
私は緊張してきた、ここで仲良くできるかが不安。
ここで省かれたら人生終わり。そう思わなければならない。
覚悟を決めて教室に入った。
良く見ると一つ一つのつくりが細かい...。
私は、無意識に部屋の隅から隅までみてまわった。
ゴミ一つ落ちていない、そわそわしていると羅帝の携帯がなった。
「あと、3分か...」
もう、時間になるのか、時間が進むのが早く感じた。
「えっ...?五百人から百人以下になったって事?」
五百人から百人以下になったって...、どんだけ退学になってるの?
「あ、やっぱり白櫻と悠斗が...?」
あ、Rクラスの二人...??怖い、急に震えだした。
天然少女と優しい人が沢山の人を退学にしたの...??
考え込んでるうちに、あっという間に時間がたった。
いつもと変わらないチャイムなのに、大きな音に聴こえた。
「終わった...」
羅帝は外を見て呆けていた、口元を見て見ると『つまらないの』と言ってるように見えた。
「もう、二人は来るのかな...?」
そういえば『あんな』はどうしているんだろう、やはり退学になってるのかな...。
「あ、もう二人も居るー」
どこかで聞いた事のある声が教室に響く。
思い出した、あの女だ...!!冷たい目をしていて、良く分からない包帯をつけている変な子だ。
もしかして...この子が白櫻って言う子...?嘘だ、天然って言う子じゃない。
「あ、私は白櫻って言います!!私の親のネーミングセンスは変だよねーっ!」
テンションがもの凄く高くて、私はついていけなかった。
「貴方が白櫻」
私は白櫻の方を睨みつける、私が睨みつけてるのに気がついたらしく、私に話しかけてきた。
「さっきの子じゃん」
「あんた誰?」
いつもの癖で強気口調で言ってしまった。名前をしていてもすぐに聞いてしまう。
「ひどいなぁー、白櫻です!白桃って呼んでくれてもいいわよ!ってあれ...?」
こいつと、あんまり関わりたくない、さっきと違ってテンションが高すぎて呆れる。
「ねぇ、君の名前は?」
「あ、俺は羅帝」
「そんで私が亞香音」
ついでに自己紹介、後は悠斗がくるのを待つ。
少しドキドキしていた。白櫻と羅帝は違う話で盛り上がっていた。
私は、話に入れない、いつもの事だ、地味に悠斗を待った。
一人で遊んでいると、背後から綺麗な声がした。
私はハッとなりながら後ろを向くと黒と茶の間の髪と目。
普通の人なのに、私のココロは惹かれた。
「Rクラスってここで良いのー?」
「多分ね」
「そーなのかー」
悠斗は教室を軽く見渡した。
「んで、あっちの方々何を話しているのだい?」
「わかんね」
「あ、俺は悠斗、よろしくな」
「悠斗...、私は亞香音」
「あっちの方々は」
羅帝と白櫻の方を指をさしていた。
「前髪で目が隠れている方が羅帝でじゃない方は白櫻」
二人とも珍しい名前だった、何か言いにくい。
「ありがとう」
何故か、私はお礼を言われた。聞かれた事に答えただけなのに。
「んで、何で亞香音は、一人なの...?」
「話が合わないから」
きっぱりと答えた。
「そっか...」
暫くの間私と悠斗の間で無言が続いた。
「亞香音って何でこの学校に来たの?」
私にこの学校に来た理由を今日出会った人に話さなければいけないのだろうか
特に私なんかの理由は、くだらなすぎる。
「悠斗は...??」
私より、悠斗の方が素晴らしい理由だと思ったから聞いてみた。
「俺は、家庭教師がこの学校だったから」
「そうなんだ」
「亞香音は?」
「姉が通っていたからかなー」
悠斗はこっちを見てにっこりと笑みを見せながら
「姉のことが好きだったんだ」
と言いながら頭をくしゃくしゃにされた。
「そうかな?」
それを言うと悠斗もそうだ、家庭教師が好きだったからこの学校に着たのに違いない。
悠斗の方を軽く見つめた。
「亞香音って姉がいたんだね」
笑ってた、姉が居ないように見えたのかな?」
「いちゃ、悪いですか?」
「いや別に...、何か意外だなーって」
自己中に見えてたのか?自己中って基本一人っ子だから...。
そんなキャラに見えていたのかもしれない。
まだ、確定していないが私は少し凹んだ。
悠斗の方を軽く睨み
「酷っ」
軽く悠斗の頭を叩いた。
「おまっ」
「バーカ」
羅帝に走った。
悠斗が来てる事を知らせなくちゃ...!!
「悠斗が来てるよー!」
そう、羅帝に言うと羅帝は悠斗の方をバッと向いた。
「うそっ!いつの間に...!!」
悠斗の方に走って向かう。
私はそれをじーっと見つめていた。
「あんた誰?」
羅帝はどこか、私と似ていた。
人に名前を聞くときが一緒...。
でも、さっき教えたのにな。
「悠斗だけど」
「そーだよねー」
知ってたんだ。知ってるなら聞かなくても良かったと思うんだけどな...。
「私の名前はー」
「羅帝ちゃんと白櫻ちゃんでしょ?」
ちゃん付けだった。私の時は呼び捨てだったのに...。
「亞香音から聞いたんだー」
「ら、羅帝ごめんね...」
「謝る事じゃないからね?」
なんか疲れた、この先、このメンバーで過ごすことが多くなる。
私は正直このメンバーでやっていくのはきついと思う...。
みんなはそれぞれ何か問題を考えているのだ、と胸に刻んだ。
人に言ってはいけない事があるから......。
「さっきの話だけど亞香音ってお姉さんがいるの...??」
聞いていたんだ...。白櫻が興味をもって聞いてきた。
答えに戸惑った。
「いるよ、三人ほど」
一人はさっき死んだけど、それは正直姉じゃないと思ってたからどうでもいい...。
私はココロの中で笑っていた、だから胸は少し騒いでいるような感覚があった。
「そうなんだ...!!羨ましいなぁー!私、一人っ子だし」
一人っ子は大抵そう言う、正直「一人っ子で良かった」って聞いた事がない。
まぁ、私と関わってる一人っ子は少なかったし...。
「お姉さんは優しい?」
おそるおそる、私に尋ねてきた。
「長女は優しかった、次女は普通で、三女は優しくない」
長女だけ過去を現すような言い方。
それに気がついた白櫻がさらに聞いてきた。
「長女は優しかった...??」
「うん。とっても優しかったよ」
私は満面の笑みで答えた。
「どうして「かった」なの...?」
「今はもう居ないんだ...琉香は...」
私は呟くように言った。
琉香の名前を聞いて、羅帝と悠斗は反応をした。
「ねぇ、亞香音」
私に、羅帝が話しかけてくる。
「亞香音の名字って天音...??」
どうして、私の名字を知ってるんだろう...、ここに居る人にはまだ言っていない...。
少し疑問に思った。
「あ、亞香音が琉香さんの妹...!?」
悠斗が叫んだ。白櫻はぽかんとしている、どうやら話が見えないようだ。
「琉香の事知っているの?」
雰囲気的にどうやら知っているようだった。
「あぁ、良く知っているよ」
悠斗は大きな溜息をついてから
「俺の家の家庭教師だったし」
家庭教師...悠斗が、この学校に来る理由になった家庭教師が琉香なの?
その前にどうして琉香は悠斗の家庭教師になったのだろうか?
琉香と話していて悠斗って言う名前は一度も出てこなかった。
「俺は、母親と琉香が仲が良くて、俺と遊んでくれてた」
白櫻は黒板に落書きをし始めていた。
「琉香は以前この学校で優秀な成績で、俺の母親が気に入ってた」
ゆっくりと語りだす羅帝。
私は黙ってそれを聞いていた。
「小さい頃から琉香のことを知っていた。いつも私の為に家に来てくれた」
羅帝の頬を大粒の涙が滑り落ちた。
それを始めに流れ星のように涙が滴り落ちてきていた。
「でも、ある日からこなくなった、母親から『琉香は病気で死んだのよ』と告げられた」
羅帝は手で涙を拭きながら言い続けた。
「もっと早く気がついていれば助けられたかも知れない」
白櫻が羅帝の目の前に立って。
「天音琉香ってもの凄い難病で死んだ人でしょ?」
難病...?そんなことは一言も言っていなかった。
私の両親もそんなことは一言も言っていない。ずっと隠していたんだ。
それを何故白櫻が知っているの?
「うちの母親がその人の担当だったの、その難病はまだ完治した人はいないんだって」
「そっか、じゃあ仕方ないね」
自分に言い聞かせるように羅帝は呟いた、私はただそれを見てるしかできなかった。