Black Angel<2>


私はそう告げて教室を出て行った。
廊下には沢山の人間が居た。そして視線が痛い…。
先ほどの噂が広まったせいなのか。避けられているような気がする。
「あー、あの子だよねー」
雑魚が私の話をしている。正直五月蝿いな…。
「普通の子じゃないらしいね」
は…?至ってふつーの子ですけど……。
少し人が持っていない力を持っているだけなんだけどなぁー。
あ……。券が隠されている場所発見!!
って…。100枚まとめて隠してるんじゃないよ…。
そもそも羅帝って誰なんだ…。バケモノだったりして…。
「ねぇー。あんた」
私が呼ばれたのだろうか、振り返って見ると、冷めた目をしていて、
髪に包帯みたいなものを巻いていた。その髪は綺麗な金色で、周りのオーラが暗い子だ…。
「券いっぱぁーい。もってるねー」
彼女の手を見て見ると、沢山の券を持っていた。
200枚ぐらい盛ってるのかな…。
このままいくと全部集めてしまいそうだ。
「あ、だいじょーぶ」
何がだいじょーぶ何だ…。
「私たちここで戦わないから安心してよ」
一方的に話してくる。自己中だと思う…。
「因みにいくら頑張っても、あんたのクラスは決められてると思うよ?」
そう告げ、どこかに行ってしまった。金色の髪が漆黒のような色に見えた。
廊下を見渡すと、たくさんの血が壁についている…。
背筋が『ゾクッ』とした。下の方には、死にかけている人間が沢山いた。
「何…これ」
死んでいても可笑しくない状態な人間が多い。
早く助けないと死んでしまうかもしれない…。誰がここまでやったんだ…。
辺りから血の匂いがする。自分の足元を見たら血の色に染まっていた。
血の海を歩いたようになっている。実際回りは血の海だけど。
「…あ、さっきの女」
すたすたと歩いている女が居た。何で…、杏奈に平然として歩けるの…??
金色の髪に、黒っぽい赤色がついていた。きっとあれは血の色だ…。
返り血とか言う奴……かな…。
「あー。鳥肌が立ってきた」
ここに居ると気持ち悪くなりそうだ…。だったら裏庭に行って休んでいた方が良いや…。
裏庭ってどう行くんだっけ…。ここの学校広いから、数回ほど迷子になった事がある。
地味に探すしかないのか…?って、薬をどこかに落とした…!!
さ、流石にコレは、ヤバイ。発作を起こしたら一発でOUTだ……。
急いで、探さないと…。自分が居た所に戻ってみても見つからない。
いくら探し続けても、視界には人の死体もどきしか、目に入らない。
いろんな所を探していると裏庭に出てしまった………。
結論。裏庭に出てきてしまった。薬を見つける前に…。
私は芝生にゆっくりと座った。そして寝っころがった。
その瞬間発作がでた。
何で私ばかりこんな目にあうんだ…。
何で私に、良い事が訪れないの…??
つまんない。つまらない。
今すぐ消えて亡くなりたい。
こんな事を思うのは……────────。
「一人だから?一人だからなの…?誰か答えてよッ!」
気づけば大きな声で叫んでいた。
発作なのに、叫んでいる。このまま死ねたら一番なのにな…。
「誰が一人なのよ」
私の前に一人の少女が現れた。
手を差し伸べてくれた死にかけている自分に…。
「…はい。この薬貴方のでしょう…??」
私の薬だ…。この人は誰…??良い人??それとも悪い人…??
その前に急いで薬を飲んで落ち着いた。
「俺の名前は羅帝アンタは…??」
「亞香音」
「亞香音...ね、わかった。ほらいつまで座り込んでいるのよ」
手を近くに差し出してくれる。私は手を握って立ち上がる。
その手はとっても温かくいつまでも握っていたかった。
ふと...私の目から涙が零れていた。涙を流したのは何年ぶりだろう...。
「......りがと」
私はお礼を言った。羅帝は少し困ったようだった。
「亞香音...?」
今、私の前に神...いや天使が舞い降りて来てくれたのだろうか、
そう思うと、嬉しくてたまらない…。
「あ、亞香音、沢山よくわからないのを集めたね」
よくわからないのって…。失礼な…。コレが無いと、退学なんだから…。
「因みに、亞香音はRクラスね」
Rクラス、女が言ってたことが当たっている…?
「他に誰か居るの…??」
「一応、白櫻と悠斗って言う子だけど…」
知らない少なくとも、私のクラスでは無かったようだ。
さっきの女も居るのかな…?そういえば血の海のような廊下は…??
羅帝はどこで私の薬を拾ったんだろう…。私の能力は何だろう……。
色々わからない事が溜まってきた。
「てか、俺おなかすいたー」
お気楽な方だ…。そういえば羅帝は前が見えてるのだろうか、
目が前髪で隠れている。目元あたりには色々ペイントされているようだ。
まだ、羅帝の目を見た事がない。見たいけど怖くて見れない……。
私のように青色と赤色かな…??
だったら何か嬉しい…。普段はカラコンで黒にしてるけど…。
「何かたべるー?」
独り言のように喋っている…話に入りにくい…。
「たべない」
はっきり言った。お昼に近いけど食欲が無い。いつものことだけど
「ちょ、そんな事言ってると死ぬよ!!!」
何で死ぬんだ...。発想が面白くて私はクスクスと笑っていた。
「何、笑ってるのー?」
「羅帝が面白いんだもん」
笑いながら羅帝に言った。羅帝は頬を膨らませていた。
「そうかな...??初めて言われた」
羅帝も笑っていた。羅帝と楽しく話している最中にウザイ人間が私の前に現れた。
私が大嫌いな美音が私の目の前に居た。
「あんた、授業は?」
少しキレ気味だろうか...。
「あんたの隣にいる奴誰...?キモインだけど」
あ...羅帝にはっきりと言ってしまった...。あぁー。うざいなぁー。もう...!
「うっさい、ぱんぴーは黙ってろ!」
私は美音の事を、『ぱんぴー』って呼んでいる。
意味は、一般人って言う意味、本当はデビルとかでも良いんだけど...。
「ぱんぴーって何よ」
知らない馬鹿が居る。やっぱり頭が良くてもそう言う事を知らないのか...。
「因みに今日、クラス替えだから」
事実を伝えてみた。何か言われても良いか...。隣に羅帝も居るし。
「はっ?そんなくだらないの誰が考えたんだよ」
「羅帝が考えたのよ!」
「あいつか...顔を滅多に出さないのに偉そうにしてるんじゃねぇっつーのー」
溜息をつきながら言っている。隣で無言で聞く羅帝。
ココロの中で何を思ってるんだろう。
「羅帝の顔を見てみたいよ!!」
あ、とっくのとおりに、見てるのに...。美音の馬鹿...!!
「私なんですけどぉー?」
羅帝がやっと口を開いた。美音は、驚いた顔をして口を大きく開けたまま
軽く放心状態だろうか、美音のあんな顔を見た。
「た、た、た、大変申し訳ございません」
慌てて土下座をしていた。あの美音が...。
地面におでこをつけている。ずっと、つけている。いつまでつけているのだろうか。
「ねぇ、あんた亞香音とどういう関係なの...?元生徒会長さん」
「羅帝...そいつと私は姉妹っていうやつ」
「ふーん、似てないわね。それに亞香音の方が可愛い」
美音の気持ちが知りたい。羅帝にムカついているのだろうか。
私は気になって仕方が無かった。
でも、私たちは本当に似ていない。私は母親似だからな...。
美音は両方に、似ていない。まったく血が繋がっていないような感じだ。
それでも良い、むしろ好都合だ。
「んとね、この子の処分は退学って言う事で」
まさかの退学...、もう卒業で言うのに...。まぁ当然の事か...。
でも羅帝が処分を決めて良いのか...??
でも親より権力があるって言っていたし...、誰かが...。
「な......なんで......?」
美音が顔をあげた。美音の目から、涙が零れていた。
「当然の事だから」
美音は、「お願い、お願いします」って羅帝に頼んでいる。
羅帝は奇妙に笑っている、まるで楽しんでいるのかのように...。
「だめー、亞香音がやめてって言うなら話は別だけど」
え...??何を言うの羅帝、私にそんなことをふらないでよっ!
「私たち姉妹......いや、家族でしょ...?」
涙目で此方を見つめた。
姉妹...?家族...?私はお前のことなんてそんな風に、一度も思った事ねぇよ!
まず、お前とは血がつながっていないと思っているからだ、大体私がやめて!って言うと
思ってるの...?こいつなんなの...?死んでいるんじゃないの...?
私の人生を壊したくせに...、都合が良すぎるんだよ!!
「私の人生がかかっているの...」
お前の人生なんて関係ないわ。このまま壊れてしまえ...!!私のように...。
「お前の人生なんて私にはどうでも良いこと」
当然のことを言った。美音は私の前で座り込んでいた。
「私の事をどう思っているの...?」
おそるおそる、美音は私に聞いた。どう思っているのって勿論......。
「穢れていて最低で憎い女ですよぉ!」
もう、美音は大嫌いって以前決めたから、好きになるなんてないはず...。
「そ、そんな...」
「当然の事だと思うよ...??」
「どうして、他人のあんたがそう言うのよ!意味わからない...」
「いやいや、俺亞香音の友達から関係あったりする」
あ、友達になったんだっけ...、私にとって初めて...の友達。
「は?あんたが友達...?笑わせないで...!!」
「この子は昔から性格が悪くて友達が居ないのよ!!」
全て、お前が原因だ...、もう私の怒りは限界だった...。
私は、美音に人差し指を向けた...、一歩、二歩と私は美音に向かった。
美音の胸に人差し指を当て......。
「生きるか、死ぬか......、どっちが良い...?」
奇妙な声で笑い、美音に聞く...。
「今は...今は死んだ方がましよ!!」
バンッ
静かな場所に響く無残な音......。
美音の背中からは大量の血が飛び散る...。
そのまま美音は仰向けに倒れていった。
私は、肉親を殺したのか...?いや、肉親じゃない。
こんな人間が肉親のわけない、それにまだ死んでいない。
「亞香音......?」
私の怒りはこれでも、収まらない。
「あんたのせいで......あんたのせいで......!!」
もう一発打ってやろうかと思ったがこれ以上やると私の手が汚れてしまう。
私はそう思った...。
「大丈夫......??」
羅帝は私の手を強く握ってくれた、私は少し興奮しているようだった。
私の前には胸から大量の血を出して倒れている美音が居る。
美音の首は冷たくなっていた...。気がつけば呼吸もしていない...。
そう、死んでいる。私は人殺しになったらしい...。
だけど私は可笑しいほどに平然としていた。
「死んでいる...、死んでいるわ!!」